みなさん、こんにちは。満室研究所所長の山岡清利です。
今日は床建材のお話です。
賃貸物件の床材の種類には、フローリング、クッションフロア( 以下CF )、カーペット、タイルカーペットなどがあります。一般的な物件ですと、木のフローリングかCFが多いのではないでしょうか?
今日はその床の張り替えを考える大家さんのための情報をお伝えします。一般的なフローリング( 無垢フローリングなど )はとりあえず放っておいて、CFの物件で話を進めます。
■ 床材を考える。CFと長尺シートの違い
普通のCFは軽くて柔らかいシート状の床材で、フローリングの偽物( 苦笑 )というか、木目がプリントされている物が一般的です。
これって安くて、施工もしやすいので、普及していますが、本当に入居者や大家のためになる物でしょうか? 私は最近、そんな疑問を持っています。
と言うのも、屋内用( ホーム用 )のCFは重量のある物( 家具など )を置くと凹むんですよね。機能的に問題はありませんが、退去立会に挑むと、どの物件も床が凹んでいるのです。
例えば、サイドボード、TVボード、ベッドの跡、冷蔵庫の跡など。こうした家具は生活する上でできてしまうものですので、基本的に、原状回復費の請求ができません。
凹んでいても、床としてので機能的はまったく問題ありませんから、そのままの状態で空室募集となりますが、新しい入居者様の目線に立てば、前入居者の生活感が見えて、萎えてしまいます。
これって、空室対策上、結構重要な問題です。誰だって、他人の生活感が感じられる部屋より、生活感を感じないフレッシュな部屋を求めるからです。
そこで、私はできるだけ、脱CFでリフォームプランを立てています。建物の構造的にCFを貼らなければならない場所は別ですが、そうでない場合には、長尺シートを使うのです。
■ 長尺シートとは
長尺シートを知らない方のためにお知らせしると、いわゆる業務用CFのことです。重歩行用シートなど、各社で色々と呼び名は異なりますが、業界内では「 長尺 」で通じます。
基本的に重くて硬いシートで、土足にも耐える耐久性の高いCFと考えると、わかりやすいと思います。「 ここに長尺を縦目で貼って 」なんて言うと通っぽいです( 苦笑 )。
一般住宅用CFの内部はスポンジのようになっており、文字通りクッション性の高い床材といえます。一方、長尺シートは内部までプラスチック系の素材のため、固く重くしまった感じがします。
主に業務用として使われますので、水、汚れ、傷に強く飲食店、病院、オフィス、学校、オフィス、店舗など不特定多数の方々が土足で集う場所でよく使われます。
■ 長尺シートのメリット
・耐久性に優れており、経年劣化に強いため貼り換え費を抑えられる
・フローリングよりローコスト
・シート材質は硬いので、家具跡が付きにくい
・シートの厚みが約2ミリなので汎用性がある
・キズがつき難いく日々のメンテナンスが不要
・経年劣化、耐摩耗性など耐久性に優れる
・元々店舗用なので、デザインの選択肢が広い
上記のようにメリットは多くあります。そういう意味で、長尺シートは普通の屋内用CFの上位品として認識してもらっても間違いではないと思います。
■ 長尺シートのデメリット
・仕入代金がクッションフロアと比べ少々高価。 ←そのぶん高機能
・シートの重量が約1mで4~6kgもある。←本当に重い!(>_<)
・硬い素材なのでDIYは少々困難。 ←切るの大変!(T_T)
・モルタル直床の場合などは遮音性が損なわれるので注意が必要
上記の事から、入隅出隅の多い部屋や間取りにDIYするのは困難です。手間や部材搬入、端材コストも考慮すると、職人さんに任せるのが一番安上がりで綺麗です。( 重いし硬いし・・・・私はもうやりません。(^_^;) )
■ おすすめの長尺シート
最近はやりのエイジング柄です。長尺シートには、ワザと古びた感じにプリントしたエイジング柄のシートが多くありますが、どれも店舗用で土足を前提に開発されており、これが我々大家にはものすごい利点なのです。
エイジングは年を重ねていくことでついた傷、使用感という意味。これが何ともいえない良さを醸し出すのです。そう! いわゆる・・・あじ、が出るのです(^_^;)
廃材の朽ち感と板をランダムに貼り合わせた感じが素敵
( シンコール クラフトウッドMF1036 )
流行のヘリンボーンの中でもブラックタイプはナチュラルしすぎないのが魅力
( シンコール ヘリンボーン MF1001 )
ペンキの剥げ感が(萌´д`)モェぇ、白なので光が反射し室内が明るく見えます
( 東リのホワイトペイントウッドFS2001 )
下の写真は、最近の山岡満室リフォームで長尺シートを使ったお部屋です。
( 床材:シンコールMF1036 )
このようにマテリアル系のエイジング柄素材を使うだけで、温かみのあるカフェ風や男前インテリアが似合う部屋が完成しました♪
男女共に好まれる内装です。あとは入居者様が好みの家具を入れれば、もっと雰囲気が出て、インテリア雑誌に出てくるような部屋になることでしょう。
初回の床の張り替えコストはCFと比べ若干割高になりますが、一度貼ってしまえば、元々経年劣化がプリントされた柄ですので少々の汚れや傷は目立たず、シートの耐久性が高いので、退去時の貼り換え費用が抑えられます。
何より、このあじが好きな方にはたまらない素材なので入居促進にめちゃ効果あり! 施工費なんてすぐ回収できますよ♪(^o^)
次回もお楽しみに~